木村先輩はどんな気持ちだろうか。気になって彼女の方を向いてみる。

 そこにいたのは、僕が知っている木村先輩ではなかった。広角を上げて口を開け、スクリーンに釘付けになっている一人の少女がいた。

 ムーンキュアーズが実在すると信じ切ったような瞳が、キラキラと輝いている。その姿を見て、僕の頬が赤くなった。