物販は発券機のすぐ近くにある。店自体は狭かったが、入場のアナウンスが流れるまで時間を潰せた。過去の名作映画のポスカードが陳列された棚の前で、木村先輩がおすすめを教えてくれたのだ。やはり、彼女は映画にも詳しい。

 もっと二人に時間があるなら、すすめてくれた全ての映画を一緒に観たかった。もちろん、それが贅沢すぎる願いだとはわかっている。この映画を一緒に観られるだけでも幸せなことだ。