十五分くらい待っていると、彼女は現れた。
 私服の彼女と会うのは三回目だ。地味な服装もドッグタグネックレスも変わらない。


「こんばんは」


 相変わらず表情一つ変えないが、珍しく木村先輩の方からあいさつしてきた。なんとなく口元がいつもよりも緩んで見える。