俯いた顔を上げる。


「本当ですか!?」


「うん。本当」


 木村先輩はいつもの無表情に戻っていた。喜びが前面に出ていると思われる僕に、引いている様子もない。


「ありがとうございます」


「で、どこか行きたいところでもあるの?」


「あ、えっと……」