彼女への想いは同情などではない。確かに、木村先輩は過酷な運命を背負っている。だが、それがなくても一緒にいたい理由はある。

 芯の強さ、優しさ、そしてなによりあの不思議な居心地の良さ。いつも変わらない表情も、笑った時の顔も、なにもかもが愛しい。

 木村先輩と出会って、人はいつか死ぬと言うことを強く意識するようになっていた。僕も例外ではなく、いつか命の光が消えてしまう。だから、後悔はしたくない。