奈緒の眉間にシワが寄り、目に怒りが満ちていく。さっきまでの潤んだ瞳は、どこへ行ってしまったのだろうか。

 奈緒のマシンガンのような怒号が容赦なく僕に放たれ、フードコートは修羅場と化す。

「はぁ? あんた、なに言っているの? 私に恥かかせて、本当に最低! あんたなんて、気まぐれで会ってやっただけなのに、調子に乗るな! 他に好きな人がいる? 底辺高校に通うなんの魅力もない男が、まともな恋愛なんてできるわけないでしょ! あんたと付き合っていたこと、思い出すだけでイライラするわ! プレゼントもろくなものくれなかったよね? あんたからもらった物、速攻ネットで売っちゃったわ。金も地位もセンスもない。あんたなんてゴミと同じなんだから! あぁ! もう、なにもかもが無理! 気持ち悪い! 最低! 私を拒否するあんたなんて大嫌い! さっさと死ねぇ!」