「それならさ、また一緒にお出かけしない?」


 僕は目を逸らし、なにも言えなくなった。

 しばらく、沈黙が続く。

 きっと、彼女にとっては気まず時間なのだろう。長引かせては申し訳ない。僕はここでやっと、わかりきっていた答えを表に出す決意をしたのだ。


「もう、二人で会うことはできないよ」


 少し間を置いて、ついに言ってしまった。


「他に……好きな人がいるんだ……」