優しい言葉が戸惑う心に沁みて、目頭を熱くする。

 やはり僕は自分で自分を強いとも優しいとも思えない。それでも、木村先輩を、失望させたくない。ここで泣いたら弱い男だ。

 感情が雫となり溢れないように、どうにか堪えた。

 もうそろそろいい時間だ。二人はすっかりぬるくなったコーヒーを飲み干す。この日の会計を申し出ると、木村先輩は快く奢られてくれた。