照れ隠しをするように、自分のダメなところを明るく軽く言った。褒められてうれしいが、やはり僕はそんな人間ではない。彼女の言葉を素直に受け取れなかった。

 木村先輩が、僕の方を向く。


「そんなことないよ」


 いつもと変わらない声のはずだが、なぜか力がこもって聞こえる。