「塾も同じ理由で決めたの」


「そうなんですね」


 少し考えると理由がわかってしまった。

 木村先輩はもう長くは生きられない。だから、少しでも自由な時間が欲しかったのだろう。それなら家から近いところを選ぶのも納得できる。納得したと同時に、悲しい気持ちになってしまった。

 すると今度は、木村先輩から尋ねてきた。