この流れで、気になっていたことを一つ聞いてみることにした。もしかしたら、トラウマを抉ることになるかもしれない。それでも、もっと彼女のことが知りたい。


「木村先輩はどうしてうちの学校に入学したんですか」


「近いから」


 あまりの単純な理由に拍子抜けしてしまった。コーヒーを一口飲み、彼女はさらに続ける。