「善斗さんとはね、塾が同じだったの」


 なんの脈絡もなく善斗くんの話が始まった。勉強と塾が彼女の中で結びついており、まだ善斗くんとの関係を話していないことを思い出してしまったのだろうか。


「そうだったんですね。善斗くんと同じ塾って、すごいと思いますよ」


 善斗くんは勉強ができるため、入塾試験が必要なほどハイレベルな塾に電車で通っていたのだ。まさか木村先輩も一緒の所だったとは思わなかった。