「心配です。具合が良くなったら帰りますので、しばらくいてもいいですか。でも、迷惑ならすぐに帰ります」


「……勝手にしたら」


「それなら、いさせてもらいますね」


 木村先輩はなにも答えなかったので、一人分くらい空けて彼女の隣に座った。ダメだとは言われていないので、きっといいのだろう。

 僕がいたところで、事態は変わらない。女性と二人きりになるのも、あまり気が進まない。それでも、彼女を放っておけず、こうして隣にいることを選んだ。