『ごめんね。斎藤くんとはもう付き合えない。別れよう』


 頭にいきなり浮かんだ鋭利な文章の刃が、双葉のような感情を刈り取ってしまった。僕自体に価値はないことを知ったきっかけになった言葉だ。

 なぜ、こんな言葉が浮かんだのか。ずっと、心に閉じ込めて起きたかった。これでは楽しいままで一日を終わらせることができない。