「ほぉ。サッドクロムを聴く人間が、おまえの学校にもいるのか。絶対に頭おかしいヤバい奴だろ。大丈夫なのか?」


 サッドクロムでギターヴォーカルをしていた朔也には、破天荒で暴力的なエピソードが多い。そんなバンドなので、善斗くんが心配するのは仕方がないことだ。

 それでも、木村先輩はヤバい人ではない。ここのところずっと関わっている僕にはわかる。