大きな目を細めて口角を上げ、僕に微笑みかけている。蕾が開いたかのような笑顔だ。キラキラと眩しい、太陽のような花が咲いている。不思議なことに、なぜかどこかで見たことあるような気もした。

 速くなった鼓動が、沈みそうだった気持ちを暖める。

 呆気に取られていると、木村先輩の細めた目が丸くなった。すぐにいつもの無表情に戻ると、なにも言わずに帰る方向へ歩き始めた。