「死んだよ」


 あまりの言葉に、思考が停止した。それでも、木村先輩は話は続く。


「あの日の事故で、お母さんは死んじゃった。私だけが助かったの」


 あの日の事故とは、寿命が見えるきっかけになった事故のことだろう。悲しすぎる事実に、もはや背筋が凍りついた。


「ごめんなさい」


 これ以上なにも言えなかった。なにを言っても彼女を傷つけてしまいそうだ。