あの虹の向こうへ君と

 自然なメイクが施されている顔が、青白く見える。どう見ても、大丈夫ではない。

 彼女に声をかけると決めたと時、実体を伴った死に近づくような感じがした。先程まで自分も死ぬかもしれないと思っていたが、それとは全く違う本物の重々しさを彼女から感じる。

 正直、かなり怖かったが見捨ててしまうことの方が怖く、こうして話しかけてしまったのだ。