「このアルバム、スパーク・シティの中ではかなり聴きやすいよ。当時は賛否両論だったみたいだけど、私は好きかな」


「先輩が好きなら、買ってみます」


 CDを受け取った。その時、手になにかが触れる。

 すぐにわかった。木村先輩の指だ。しっとりして暖かい。