木村先輩からだ。

 彼女との距離が近いのだ。シャンプーなのか、香水なのかわからない。だが、間違いなく木村先輩の香りだ。

 意識してしまうと、恥ずかしくなってきた。心臓がドクドクと脈打つ。気のせいか顔が熱い。彼女の色っぽい唇が開くと、いい匂いから逃げるように耳を傾けた。