少しすると予鈴が鳴り、沈黙が壊れる。もうすぐ、授業が始まる時間だ。


「そろそろ、行きましょうか」


「そうですね。ありがとうございます」


 二人は屋上へ続く階段を後にした。

 この日から、孤独な高校生活が終わった。僕の日常に木村先輩が、ゆっくりと溶け込んでいく。