木村先輩と共に教室を出る。彼女は無言で、屋上へ続く階段に案内してくれた。


「ここなら話しやすいかな」


 僕と木村先輩の二人きりになった。この場所に誰かが来ることはないだろう。

 改めて見ると、大人の女性のような彼女と制服は不釣り合いだ。それにも関わらず、違和感を感じさせない。なにを着ても美人は似合ってしまうということを目の当たりにした。


「そうですね。話しやすいです」