後ろにいた人に驚いた。まさか教室に来るとは思わなかったからだ。あからさまに驚いても悪いので、こちらも落ち着いた口調で言った。


「すみません。わざわざ来てもらって」


「いいの。はい、これ。ありがとう」


 木村先輩はCDが入った紙袋を机に置いた。僕は、鞄の中からユニオン・チャイルドの袋を取り出す。