木村先輩に残された命が、あと二ヶ月くらいだと偶然わかったが、言うまでもなくどんな人間でも毎日命の光を減らして生きている。そんな当たり前すぎて、日常生活では誰も意識しないようなことを考えてしまった。

 木村先輩も死ぬ。いつかは僕も死ぬ。

 思考の海に溺れたように、なんだか苦しくなってきた。なにも考えないように、布団を被り目を閉じる。