先輩達の話題は木村先輩から逸れていき、さらに盛り上がり声が大きくなっていく。もはや、二人は僕を忘れているようだ。本来、僕はこの学校にいないに等しい人間であるため、こうした扱いの方が正しいのかもしれない。

 そういえば、この二人も映画館で木村先輩に会ったと言っていた。それなら、一つ気になっていたことが納得できる。