ラウネリアに来たブラウンは、手紙に書かれてあった住所の赤い屋根の家を目指した。そして赤い屋根の家に辿り着いたブラウンは、家のチャイムを鳴らした。

「はーい」
「えっと……あのっ……ブラウン・シュガーです。お姉ちゃん……メープルさんから手紙をもらって……」
「ああ!!ブラウン!!メープルから話は聞いているわ。鍵は開いてるから入ってきて」
「はい」

そしてブラウンは、家の中へと入った。
明かりもなく、家の中は真っ暗だった。

「お邪魔します……」

恐る恐る部屋へ入ると、そこには悪魔がいた。

「いらっしゃい、ブラウン。ククク、ハハハ、ヒャハハハハ!!!!」
「っ!?化け物!?」

ブラウンは腰につけている剣を抜いた。
そして悪魔と戦った。
剣で攻撃するが、悪魔の肌は固く傷つける事ができない。

「クククッ!!ハハハ!!ヒャハハハハハ!!弱い。弱いぞ。弱すぎるぞ、ブラウン・シュガー」
「くっ……。な、なんで……私の名前を……」
「それはな。お前がパーム・シュガーの娘だからだ」
「お母さん……?」
「パーム・シュガーは、俺が食った」
「食ったっ!?」
「もう十四年前になるか。あの女、最後の最期に俺に抵抗して魔法で、この俺様に傷をつけた。深い深い傷をな。完治するまでに十四年かかった。全く酷い目に遭わされた。悪魔は人間を食ったら、その人間の記憶を見る事ができる。それであの女を食った時、娘が二人いる事を知ってな。俺は深い深い闇の中、傷を治しながら誓ったね。必ずあの女の娘二人を食ってやるとな。そこでまずは、姉のメープルだ。簡単だったなぁ。ガーネットとマリア。それから最後にメープル。メープルの奴、泣きながら命乞いしてたさ。お願い。やめて。助けてって。あの瞬間は、たまらなかった。最高だったぜ」
「このっ……!!」

ブラウンは、剣を振り回した。

「おっと。そんなの効かねぇよ。でもメープルの奴は、あっけなかったなぁ。お前みたいに全然抵抗しないからよー。つまらなかった。ククク、ハハハ!!そうだ。言い事を思いついたぞ。昔、魔女を食った事がある。その魔女は珍しい魔法を覚えていてな。あの魔女を食った時、俺にもその魔法が使えるようになった。なぁ、ブラウン。お前にとっておきの魔法をかけてやろう。幸せな夢を見れる魔法をな」