ブラウンが列車に乗って三日が過ぎた。ようやくコールランドに帰ってきた。
ちょっと数日離れていただけなのに、ブラウンは、なんだか懐かしい故郷に久しぶりに帰ってきたような気がした。
ブラウンは家へと帰ってきてドアを開いた。

「父さん。ただいま」

しかしカナソードは、いなかった。

「あれ?道場かな?それとも買い物にでも出かけたのかな?」

ブラウンは、いつも食事をするテーブルの上に紙が置いてあるのを見つけた。

ブラウンへ。
ラウネリアの街はどうだった?楽しかったか?
色々と土産話を聞かせてもらうのを楽しみにしていたんだが、俺は大事な用が出来てシャルトフの街へ行く事になった。しばらく帰れそうにない。ブラウン。帰ってきて早々で悪いんだが、お前にも手伝って欲しい。だから戻ってきたらシャルトフの街へ来て欲しい。住所と地図も一緒に書いておく。待っているぞ。
父より。

「シャルトフで大事な用?……何だろう。私にも手伝って欲しいって。まあとりあえず行ってみるか」

ブラウンは支度をし、再び駅へと向かった。
シャルトフの街へは、列車に乗って一日かかる。

「あー、また列車かー。まあ仕方ないか」

ぼやきながら列車に乗り込んだ。
ブラウンは、カナソードに会ったらメープルの死についてどう話せばいいのかと考えていた。姉を目の前で殺され、カナソードに鍛えてもらった剣で姉を守る事ができなかった。自分の不甲斐なさ。情けなさ。悲しみ。怒り。辛さ。その全てを早くカナソードに会って話して、全部吐き出したかった。辛い時こそ家族にそばにいて欲しい。
ブラウンは、いつも元気で明るく豪快なカナソードに心の傷を癒して欲しかった。

列車がシャルトフに着いた。
ブラウンは列車を降りて、カナソードが書いた地図のある住所へと向かった。
しばらく歩いていき、着いた場所は廃屋だった。

「えっ?ここ……なの……?」

ブラウンは、廃屋に入った。

「父さん?来たよ。いるの?」

ドアを開けた。その先には、カナソードが血まみれで倒れていた。

「父さん!!!!」

ブラウンは、急いでカナソードに駆け寄った。

「父さん!!しっかりして!!どうしたの!?ここで一体何があったの!?父さん!!父さん!!うっ……ううっ……しっかりして……目開けてよぉ……」