「えーと……結局、私が三日間トイレから出てこられないというハプニングがあったけど今日から早速、記憶操作の魔法に対する防御魔法を身につける事を目標に修行していくわ」
「はい。ジャガリー先生。よろしくお願いします」
「ふふっ。良い返事ね。やる気満々って感じね。じゃあまずは、魔法の基本について知ってもらうところから話していくわ」
「はい」
「魔法を扱うという事は、自身の精神と肉体をコントロールする事なの。精神っていうのは、感情と密接なつながりを持っているの。深い愛の力は、光魔法。癒しの術を使えるわ。深い恨みや憎しみは闇の魔法。相手にかける呪いの術。怒りは炎の魔法。冷静さは水の魔法。喜びは風の魔法。悲しみは土魔法。火水土風の四属性、そして光と闇の二属性。これら全ての属性を操るのが魔法。ブラウン。まずは、あなたがどの属性を扱えるのか適性を調べてみましょう」
「どうやって調べるんですか?」
「ここに系統判別水晶を用意したわ。この水晶の上に両手を乗せてみて」
「こうですか?」

ブラウンは、ジャガリーが用意した大きな水晶の上に両手を乗せた。
すると水晶が七色に光り出した。

「ブラウン。やはりあなたは、魔法の才能があるわ。火水土風の四属性、そして光と闇の二属性。更に無属性。赤、青、黄色、緑、白、黒、茶色。七色全ての魔法の系統に適性があるわ。驚いたわ。しかもどれも密度が濃い」
「密度が濃いと何があるんですか?」
「密度が濃ければ濃い程、その属性の上級魔法が扱えるの。ブラウン。あなたは訓練次第で大魔法使いになれる素質を持っているわ。凄い才能よ。あなたの家系に魔法使いはいないの?」
「うーん、多分いないと思います。私が生まれてすぐ、私を生んだお母さんは、行方不明になっているんです。お父さんも旅に出たまま、どこで何しているのか分からなくて。だから叔父さんに育てられたんです。両親が魔法使いだったなんて話は、叔父さんから聞いた事ないですから」
「そう……。魔法の素質は、遺伝によるものが大きいの。もしかしたらあなたの先祖には、凄い魔法使いがいたのかもしれない」
「そうなんですか」
「まあとにかくブラウン。あなたに魔法の才能があるのは、なんとなく分かっていたけど、まさかここまでだとは思わなかったわ。これは教え甲斐があるわね。早速だけど修行に入りましょう」
「はい」