するとそこから黒い化け物が姿を現した。

「きゃぁあああああ!!」
「な、何あれ!?」
「ブラウン!!あれは……あ、悪魔だよ!!」
「悪魔!?悪魔って何!?」
「逃げよう!!ブラウ――」

その瞬間、悪魔は物凄いスピードでメープルに襲い掛かった。
メープルは、悪魔に爪のようなもので切り裂かれた。

「お姉ちゃん!!!!」

ブラウンは、腰につけている剣を抜いた。
今までカナソードと訓練での戦いは何度もしてきた。獣相手なら戦った事はあるが、本物のバケモノ相手の実践での戦いは初めてだ。

「くっ……」

悪魔は物凄い速度で、次はブラウン向かって突っ込んでくる。そしてメープルに襲いかかってきた時と同じように、右手の爪のようなもので、ブラウンに襲い掛かってくる。
ブラウンはそれを紙一重で避わし、悪魔の右手の爪に向かって剣を振り下ろす。

「はぁあああああ!!!!」

ガキンッ!!と音がする。
その爪を剣で切り落とそうとしたが、爪が思った以上に硬く、刃が通らない。

「くっ……」

ブラウンは、バックステップで一旦、距離を取る。

「グォオオオオオオオ!!!!!!」

悪魔は耳を突き刺すような大声で雄叫びをあげ、そのまま突っ込んでくる。
今度は左手。左手を横に薙ぎ払い、そして右手を上から振り上げて、ブラウンを叩き潰そうとする。連続攻撃だ。
ブラウンは、バックステップで後ろに後退して平行移動して遅いかかってくる左手を避わし、上から襲い掛かってくる右手を横に飛んで回避し、地面に叩きつけられた悪魔の右腕に向かって剣を横に斬る。

「はぉあああああああ!!!!」

しかし悪魔の筋骨隆々とした右腕の肉も硬く、刃が通らない。

「くっ……。刃が通らない……」

悪魔の爪が更にブラウンを襲ってくる。何度も何度も連続攻撃が続き、ブラウンも避けきれず、傷を負う。

「くっ……あっ……ああっ……」

ブラウンは痛みに耐えながら剣を高く構え、そのまま悪魔の体に右上から袈裟懸けで攻撃する。
僅かに刃が通り、傷をつける事ができたが、だが皮が少し剥がれた程度。

「グォオオオオオオオ!!!!!!」