「ついてきて」




私はその一言だけ言うと、目的地を寮から別の場所に急遽変更し向かった。

その場所に向かうまでの間加奈子は、一言も喋らず大人しくついてきた。

私の学校まで来たのは何か私に話があって来たはず。

道中では話せない話なのか?

話してくれたら目的地に行かなくても済むし、早く別れられるのに。

母が心配していないだろうか?

加奈子が私の学校に行く事を話していたなら、今頃加奈子の隣には母が居たはずだから。

私と二人だけで話したいって事?

何を話すの?

私は加奈子と話したい事なんか何も無いのに。

30分後。

目的地に着いたと同時に加奈子はサングラスを外し、それをセーラー服の胸ポケットに。

マスクは口元が見えるまで下にずらした加奈子。




「私達以外誰も居ないね。
公園なのに」