「日記を読んでから脚本を書こうと思ってたの」



私は大学で演劇サークルに入っていて、脚本を任されたのだ。



「脚本って…演技させてもらえないの?
下手だから」

「違います……。
脚本も演技もどっちもやるの!!!」



演劇サークルの中じゃ私が一番演技は上手なんだから!!!



「莉恵姉は私の事まだ憎んでる?」

「分からない。最近は脚本の事で頭いっぱいで、加奈子の事、考えてないから」

「……そっか……」




加奈子を憎んでる気持ちが一切無くなったとは、自信を持って言えない。



「今、撮ってる映画って公開はいつなの?」

「えっ…と……来年の…秋頃だったかな……」

「見に行くよ。
演技が少しでも上手になったのか見たいし」



今、この瞬間は憎んでないよ。加奈子。