「あの、勝手に呼び捨てにすんのやめてくれませんか。」





有価(ゆうか)だって俺の事許可なく呼び捨てじゃん。他人の事いえないねえ。」




「いや、それは、ごめん。」





「ふーん。」




「でも呼び捨てで呼んでくる人嫌いで。」




「親かなんかでも嫌いなんか?」




(はる)はなんか嫌いなものある?」




「いやないけど。俺が呼び捨てで呼ばれんの嫌やったらどうすんの?」




(はるか)さんが(はる)の事呼び捨てだったんで。」




「ってゆうかユーの事はるかって呼ぶ奴初めて見た。」




「本人の名前は正しく呼ばないと。」




「え、やだ。」




「人に紹介する時『ユー』って言って伝わる訳ないじゃん。」




「ユーの事とか紹介しない。」




「慎重という言葉が可哀想なくらいだ。」




「何かあったら紹介する羽目になるかもしれないのに。『可能性』とかいう言葉は頭にないわけ?」




「そんなの考えてたらきりねぇっつーか。」




「ま、(はる)がどんな目に遭おうがどーでもいいし。」




「ひどくない?住む場所と安定した生活を提供しようとしてあげてんのに。」



「ぜんぜんひどくないし、住む場所がないわけじゃないし。」