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高校2年生の秋だったのか冬だったのかは忘れてしまったが、その日はとても寒い日だった。

その日の放課後も、宏美は体育館の裏に呼び出された。

「悪い、何度告白してきても気持ちは一緒だ」

宏美はそう言って、彼女からの告白を断った。

「どうしてなの!?」

告白を断られた彼女、清水は納得していない様子だった。

清水は隣のクラスの女生徒だった。

彼女とは高校1年生の体育祭で実行委員を一緒に務めたことがきっかけだった。

体育祭が終わった辺りから、宏美は彼女にしつこくつきまとわれていた。

「もういい加減にして欲しいんだ。

と言うか、もうあきらめて欲しい」

そう言った宏美に、
「――藤巻さんがいるからなの?」

清水が言った。

(またその話か…)

宏美は呆れた。