「結果的には結ばれてるから、特にアドバイスをすることはない」

そう言い返した宏美に、
「結果的にって…何かきっかけでもあったのか?

鈍チンの君と幼なじみが結ばれた何かが」

モアイ像が言った。

「鈍チンって何だ、鈍チンって」

宏美は不機嫌そうに言い返した。

「自分で言ったじゃん、鈍いって」

「俺は“鈍い”と言っただけで“鈍チン”とは言っていない」

「何じゃそりゃ、一休さんか」

「宏美さんまたはミヒロさんじゃ」

「名前は聞いてない」

ひと通り言いあうと、宏美とモアイ像は休憩するように口を閉じた。

「それで、何がきっかけで幼なじみと結ばれたんだ?」

先に口を開いたのは、モアイ像だった。