「はああっ!?」

宏美の大きな声がこの場に響いた。

相当なまでにうるさかったのか、天使たちはしかめた顔をして両手で自分の耳をふさいだ。

「バンドのヴォーカルを担当していただけに、えらい大きな声を持ってはるな」

神様は特に動じていない様子で返事をしたのだった。

「人を間違えたって、どう言うことなんだよ!?」

今にも神様の胸倉をつかみかかりそうな宏美の間に、モアイ像が割って入った。

「今、その説明をします」

モアイ像はそう言うと、手に持っていた手帳のようなものを広げた。

(いつの間に持ってたんだ?)

宏美がそう思いながら続きを待っていたら、
「先ほどもおっしゃった通り、あなたが死んだのは間違いだったと言うことがわかりました」
と、モアイ像が言った。