(か、神様…だと!?)

宏美は信じられなかった。

(思ってたんと違う…)

自分の中のイメージがまたも覆されたことに、宏美はただ戸惑うだけだった。

(と言うか…神は神でも、貧乏神の間違いじゃねーのか?)

綿棒のようにやせ細っているその姿から、宏美は連想したのだった。

宏美が心の中でそんなことを呟いていたら、
「ギリギリでしたよ、後少しで三途の川を渡るところでした」

馬が神様に声をかけた。

「そりゃ、えらいことやったわ」

神様はそう返事をした。

(か、関西弁かよ…!?)

自分の聞き間違いじゃなかったら、この男は関西弁で話したはずだ。

神様は宏美の前に歩み寄った。

「あの…」

宏美がそう声をかけたら、
「すまん、人を間違えた」

神様が言った。