小祝は『ブルーグラス』の入口で待っていた。

時折中を覗き込んだり、入口の前をウロウロと歩き回っているその姿は落ち着かなかった。

小祝は腕時計に視線を向けた。

時計は12時を少しだけ過ぎていた。

空を見あげると、雲1つない青空が広がっていた。

カチャッと入口のドアが開いたので視線を向けると、待っていた人が出てきたところだった。

「あ、どうも」

小祝と目があったミヒロは会釈をした。

ミヒロはオリーブ色のキャミソールワンピースに、そのうえから黒のクロシェレースのトップスを身に着けていた。

髪型はお団子で、花柄のピンクのシュシュでまとめられていた。

とても涼しそうだ。

足元に視線を向けると、茶色のサンダルを履いていた。