「もしかしたら、武藤はどこかでミヒロちゃんと会ったことがあるんじゃないか?

例えば、オーディション会場で顔をあわせたことがあるとか」

そう言った宗助に、
「あの美少女をどこかで1度会ったとするならば、俺は忘れられない。

それに、俺は彼女を“誰かに似ている”と言った」

武藤は否定をするように言い返した。

「一体誰なんだろうな…?」

武藤は呟くと、両手で頭を抱えた。

「日出さんの好きなミュージシャンって、椎名林檎と村下孝蔵と山下達郎だったっけ?」

宗助が言った。

「ああ、そう言えば言ってたな。

彼らの作る歌詞は日本語の美しさがよく出ているから好きだって、ミヒロちゃんはそう言っていたな。

それがどうかした?」

武藤は宗助に聞いた。