「マジかよ…」

宏美は愕然とすることしかできなかった。

「とっとと早く金を返さんか!」

ヤクザたちが順子の肩をつかんだ。

「やめてください!

もう少し待ってください!」

「そうですよ、すぐには用意できません!」

大山がヤクザと順子の間に割って入ったけれど、
「邪魔をするな!」

すぐに弾き飛ばされてしまった。

「大山さん、大丈夫ですか!?」

宏美は大山に駆け寄った。

「ああ、大丈夫…」

大山は心配ないと言うように手をあげた。

このままだと、順子がヤクザたちに連れて行かれそうだ。

「おい、何とかしろよ!」

宏美は強い口調で馬に言った。

「わかったわかった」

馬は返事をすると、パチンと指を鳴らした。