宗助は宏美の顔を見つめると、
「合格だ」
と、言った。

(やった!)

宏美は心の中でガッツポーズをした。

「ありがとうございます!」

宏美は躰を2つに折り曲げると、大きな声でお礼を言った。

生前に所属していた『FEET』のメンバーにまたなれたことがとても嬉しかった。

(終わったなんて言わせない!

『FEET』が俺で成り立っているなんて、絶対に言わせない!)

先ほど耳にした会話をすぐにでも覆してやると、宏美は心の底から思った。

「そうと決まったら…だけど、さすがに俺らの曲をやらせるのは難しいかも知れないな。

今日はカバー曲を中心に進行することにするか。

次回までに俺の曲を覚えさせればいいだけの話だ、今日はカバー曲で何とかしよう」

武藤が言った。