「もう、『FEET』はこれで終わりだろうな」

耳に入ってきたその言葉に、宏美の眉がピクリと動いた。

「そうだろうな、あいつらは宍戸で成り立っていたようなものだからな。

“宍戸あっての『FEET』、『FEET』あっての宍戸”だなんて影で揶揄されてたくらいだからな」

彼らは宏美が自分たちの近くにいて、聞き耳を立てていることに気づいていないようだった。

宏美は彼らから目をそらすようにうつむいて、自分の足先を見つめた。

「だ、大丈夫か?」

馬が宏美に声をかけたが、彼の耳には届いていなかった。

「全く、面と向かって言えばいいことを影でコソコソと文句を言いやがって…バカ丸出しもいいところだな」

呆れたように馬が言って、宏美に視線を向けた。

「って、あれ?」

そばにいたはずの宏美はいなかった。