「君はどれだけ鈍感なんだ?

向こうの世界で会ったことがあるだろう」

そう言った男に、宏美は彼の顔を観察するように見つめて記憶をたどった。

よくよく見ると、男の顔は馬面だ。

「馬!?」

思わず声をあげた宏美に、
「君は俺のことをそんな風に呼んでいたのか?」

馬は不機嫌そうに言い返した。

彼は3人の天使たちのうちの1人だった。

「だって、馬面なんだもん」

そう言い返した宏美に、
「生まれつきだ」

馬は何クソと言うように言い返した。

「と言うか、何しにきたんですか?」

どうして馬がここにいるのかがよくわからなくて、宏美は聞いた。

「宍戸宏美のサポートをしろと言う、神様からの命令だ」

馬が宏美の質問に答えた。