この場に沈黙が訪れた時、
「よかったじゃん」

誰かの声が聞こえた。

「えっ?」

心美が声の持ち主に視線を向けた。

その姿を視界にとらえた瞬間、
「――ッ…」

心美は大きく目を見開かせた。

「ま、マジかよ…」

「んなアホな…」

「本当に死んだんじゃないのかよ…?」

口々に言いあっている彼らに、
「ひどいなあ、戻ってきて早々にこれかよ」

彼女はやれやれと言うように息を吐くと、長い髪を耳にかけたのだった。

「だって、だって…」

心美は信じられないと言うように口をパクパクと動かしている。

「ちゃんと足があるだろ…って言っても、ミヒロの躰だから何にも言えねーけどな」

ミヒロこと宏美は笑ったのだった。