「もうそれは、器も同然や」

心美の耳に入ったのは関西弁だった。

「えっ?」

視線を向けると、白い服を着た4人の男たちが立っていた。

彼らの頭のうえには光っている輪っかのようなものが浮いていた。

「あっ、貧乏神」

卓真が指を差して言ったので、
「誰が貧乏神や!

わしは神様や!」

神様がツッコミを入れた。

「君、神様に何てことを言っているんだ!」

そう言ったのは冷ややっこである。

「す、すみません…」

冷ややっこに怒られ、卓真はすぐに謝った。

「う、器って…」

言っている意味がわからなくて心美が戸惑っていたら、モアイ像と馬が自分たちのところに歩み寄ってきた。

「離れなさい」

モアイ像に言われて、半ば強引に宏美と引き離された。