「いや、何でこっちにくるんだよ」

思わずツッコミを入れたミヒロに、
「何とか隙を見て、ヤツらを取り押さえます」

警察官が言い返した。

その時だった。

「武藤さん、話ってなんですか?」

この場に心美が入ってきた。

「心美、逃げろ!」

彼女の姿を視界にとらえたミヒロ――宏美は叫んだ。

「えっ?」

心美が気がついた時には時すでに遅しだった。

目敏く心美を見つけた借金取りは、彼女を人質にとったのだった。

「心美!」

宏美は叫んだ。

「きゃあっ!?」

心美の白い首に刃物が当てられた。

「しまった、マズいことになったわ…」

「クソ、何と卑怯な…!」

心美を人質にした借金取りに、青木と警察官は悔しそうな顔をした。