「どうかした?」

「えっ?」

小祝に聞かれた理由がわからなくて、ミヒロは聞き返した。

「何だか浮かない顔をしているなって思って」

「そ、そんなことはないですよ」

ミヒロは首を横に振って、小祝の質問に答えた。

「小祝さんが会社を継ぐか継がないかは、それはあなたが決めることだとあたしは思っています。

あたしが口出しするべき問題ではないと、そう考えています」

「ミヒロちゃん…」

「でも、実の父親と仲違いをすることだけはやめてください。

そんな状態のままで夢を追うのは、気分が悪いんじゃないかと思うんです」

そう言ったミヒロの目から逃げるように、小祝はそらした。

「あたしは、小祝さんがそんな状態で夢を追って欲しくないと思っています」

そんな彼に向かって、ミヒロは言った。