それを手に取ってケースを開けると、中から赤いエレキギターが出てきた。

宏美はギターを持って構えると、試しに弾いてみた。

意外にも躰が覚えていたので、宏美は驚いた。

「――できてる…」

宏美はギターから手を離すと、自分の手を見つめた。

ギターをケースの中に片づけると、宏美はそれを肩に担いだ。

その足で玄関へと足を向かわせると、水色のハイカットシューズがあった。

「こんなの持ってたか?」

自分では絶対に選ばない色とデザインの靴に、宏美は見つめた。

そう言えば、自分が身につけている服は一体誰が用意したのだろうか?

「…全部神様が用意したのか?」

宏美はそう呟くと、靴の中に自分の足を入れると紐で結んだ。

靴を履くと、宏美はドアを開けて外に出た。