「俺はそれでいいのかと心配をしているんだ。

継ぐ継がないにしても、父親と仲違いをした状態はいくら何でもよくないだろう」

ミヒロは言った。

「まあ、そうだろうな」

冷ややっこは返事をした。

「会社を継ぐ継がないは、最終的に小祝さん自身が決めることだと俺は思ってる。

でも仲違いをしたままと言うのは、後味が悪過ぎるだろう。

別に仲直りをしろと言ってる訳じゃない。

修復ぐらいしてから進むのもいいんじゃないかと、俺は思うんだ」

「なるほどな」

冷ややっこが返事をしたのと同時に、テーブルのうえに置いてあったスマートフォンが鳴った。

ミヒロはそれを手に取ると、
「もしもし?」
と、電話に出た。

少しだけ話をすると、ミヒロはスマートフォンを耳から離した。