一緒の大学に進学すると、宏美は軽音楽のサークルに入った。

それを機に宏美は実家を出ると、1人暮らしを始めた。

勉強とバイト、サークル活動を上手にやりながら、宏美と心美は関係を深めて行った。

デートをしたり、宏美がヴォーカル兼ギターを務めているバンド『FEET』の見学をしたり、バンドメンバーたちと遊びに出かけたりと、いろいろと過ごした。

その間に結婚の準備を進めて、お互いの両親にあいさつを済ませた。

学生で、そのうえ20歳になったばかりと言うこともあり、当初は難色を示していた両親たちだったが、長く一緒にいた幼なじみだからと言うことで結婚に理解を示してくれたのだった。

後少しだった。

幼なじみから恋人に、恋人から夫婦になるまで、後少しのところだった。

自分たちは幸せになるんだと、そう信じて疑わなかった。