「約束するよ」

宏美が言った。

「俺、絶対に心美を幸せにする。

世界中の誰よりも心美を幸せにすると、約束する」

そう宣言をした宏美を心美は腕の中から見あげた。

「宏美」

心美は名前を呼ぶと、
「私、ずっと宏美のことを愛し続けるから」
と、言った。

それに対して宏美は微笑むと、
「俺も、心美を愛し続ける」
と、言った。

一緒に微笑んだ後で、どちらからともなくお互いの顔を近づけた。

「――ッ…」

これが初めて交わしたキスだった。

宏美の唇の温もりを感じながら、心美は幸せな気持ちに包まれていた。

大好きな人と結ばれたことだけでも嬉しいのに、大好きな人のお嫁さんになれる幸せを心美は噛みしめた。